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企業インタビュー

発信を起点に、カルチャーの成熟と採用のマッチングを両立。GMOペパボの“等身大”情報戦略

企業インタビュー

GMOペパボ株式会社

発信を起点に、カルチャーの成熟と採用のマッチングを両立。GMOペパボの“等身大”情報戦略

2021.01.15

GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社は、ホスティング事業やEC支援事業、ハンドメイド事業をはじめとした、インターネットを通じた自己表現を支援するサービスを手がける。

同社では、採用に関する情報発信において、企業文化をシンプルな言葉でまとめ上げた「わたしたちが大切にしている3つのこと」をベースに、採用サイトから「HRブログ」「テックブログ」などのメディアまで、一貫したスタンスで構築している。シンプルかつオープンで、求職者が抱く入社前の期待と入社後の現実のギャップを生まない情報発信が評価され、「Owned Media Recruiting AWARD 2020」を受賞した。

同社の常務取締役CFOでHR統括部長の五十島啓人氏と、HR統括部人事企画グループ 人事企画チーム 採用担当の福場麻美氏に、受賞に対する想いを伺った。また、ブログの役割やコンテンツ制作のポイントからニューノーマル時代の採用活動のあり方まで、GMOペパボが考えるオウンドメディアリクルーティングの今とこれからを聞いた。

五十島啓人氏(左)、福場麻美氏(右)
五十島啓人氏(左)。GMOペパボ株式会社 常務取締役CFO 兼 HR統括部部長 兼 経営戦略部部長。1999年東京都立大学経済学部卒業。求人採用広告営業を経て、2004年有限責任監査法人トーマツ(現在)へ入所し、主に会計監査やIPO支援業務に従事。2008年公認会計士登録。2014年GMOペパボ取締役就任、2017年常務取締役CFO就任。同年よりHR統括部部長としてHR方針策定から戦略立案に携わる。

福場麻美氏(右)。GMOペパボ株式会社 HR統括部 人事企画グループ 人事企画チーム 採用担当。2013年 paperboy&co.(現GMOペパボ)に新卒で入社。EC事業の法人向け営業を担当後、2015年6月に新卒採用担当としてHR統括部に異動。新卒採用をメインに、一風変わった会社説明会や内定式の企画、HRブログの運営などを行い、ペパボの魅力を発信できるよう努めている。2020年からは中途エンジニア採用を担当。

言葉は同じでも、意味合いをアップデートした「3つのこと」

福場麻美氏(左)、五十島啓人氏(右)

――「Owned Media Recruiting AWARD 2020」の受賞おめでとうございます。社内外の反響や影響はいかがでしたか。

五十島 Owned Media Recruiting AWARDを知ったのは2019年です。私たちの「HRブログ」や「テックブログ」も、GMOペパボが考えていることや、GMOペパボらしさを伝えられていると感じていたので、それがどのように評価されるのかを知りたいと思い応募しました。結果は気にしていないフリをしていたのですが、一次審査を通過したとき思った以上に社内から反響があったので、二次審査までは落ち着かない日々でした(笑)。

二次審査の結果がわかったときは、大騒ぎとはいわないまでも社内はとても盛り上がりました。今回の受賞でうれしかったのは、採用という外部から見えにくい管理部門の仕事に光が当たったことですね。今回の受賞で私たちの採用活動や文化がより伝わりやすくなったと思うので、これからGMOペパボに興味を持っていただける方々へ良い影響を与えられるのではないかと期待しています。

――審査の講評に、「わたしたちが大切にしている3つのこと」が、採用に関する活動や情報発信の背骨になっているとありました。「3つのこと」が誕生した経緯をあらためて教えてください。

福場 「みんなと仲良くすること」「ファンを作ること」「アウトプットをすること」という「3つのこと」を、採用の軸として初めて発信したのが2011年です。以来10年近く一貫して使っています。

五十島 これらは、当時活躍していたパートナー(社員)に共通することを2011年に言語化したものです。私たちのパートナーにはエンジニアやデザイナーのほかに、顧客担当のカスタマーサービスや管理部門メンバーがいて、またアルバイトとして入社される方もいます。どれだけ多様であっても、規模が大きくなったとしても、パートナー全員が目線を合わせ、同じ方向を向けるような言葉を探すなかで、自然とシンプルな「3つのこと」になりました。この10年間で3つの言葉自体は変わっていませんが、意味合いはアップデートされています。

福場 策定当初は「大切にしてほしい3つのこと」だったのが、現在は「わたしたちが大切にしている3つのこと」になっています。

五十島 つまり、当初はマネジメント側がパートナーに求めるものでしたが、パートナーが自発的に取り組むものになったわけです。「主体的に動く」ように変わったと言うこともでき、GMOペパボの進化を示していると思います。

「自社が目指す姿」を伝えるパーパスコンテンツの作成時に意識すべきことについてはこちらへ

重要なのは情報発信の“継続”。パートナーの負荷を軽減する仕組みを作る

五十島啓人氏

――HRブログとテックブログは、GMOペパボの企業文化や温度感を伝えていると、審査でも高く評価されています。ねらいどおりに機能していると言えますね。

五十島 テックブログは技術情報に特化した内容で、現在の課題認識や新しい情報を共有するツールとして機能しています。主にエンジニアやデザイナーが執筆するスタイルを何年も続けているので、技術をアウトプットする場という認識も社内では根づいていますし、他社のエンジニアやデザイナーの方からもご覧いただいていると聞いています。

HRブログは最近スタートしたものです。採用目的での情報発信の場として、企業としての考え方や文化、GMOペパボらしさを伝えるという骨子は明確ですが、継続することが課題となっています。

福場 2018年に採用サイトをリニューアルしたのですが、それまでは中途採用と新卒採用に分けて情報発信していたのを、私たちの仕事や文化を一元的に伝える形に変えました。将来のパートナーと出会うに当たって、さきほどお話しさせていただいた「わたしたちが大切にしている3つのこと」をベースにしたカルチャーマッチが何より重要であり、それは新卒・中途の区別なく企業として発信していくべきだと考えた結果です。

2019年には、仕事への想いや働き方、文化をより詳細に伝える場所としてHRブログをスタートさせました。

ペパボテックブログ
ペパボテックブログ。エンジニアやデザイナーを中心に、サービス開発についてのノウハウやテクノロジーを活用した取り組みが紹介されている
ペパボHRブログ
ペパボHRブログ。パートナーの仕事に対する想い、多様な働き方、イベントレポートなど、「GMOペパボで働くということ」について幅広い情報が掲載されている

――ブログを継続するという課題は、同様の取り組みを行う多くの企業に共通するものと言えます。課題解決のポイントとしては何が挙げられるのでしょうか。

五十島 私たちが重視しているのは、コンテンツ制作にかかる負担を減らすことと、テーマを先に決めることです。ブログを始めるとなると、とかく意気込みが先行して制作本数を欲張りがちです。1人の担当者が月に何本も制作するような体制にすると、最初はよくても継続することが苦しくなります。そこで、担当者4人がそれぞれ月に1本制作し、全体として毎週1本ずつ新しいものを公開する体制にしました。ブログメディアとしての充実感を考えると、早めにある程度の本数を掲載しておきたいところですが、継続していれば社内外の認知は自然と広がります。よく言われることですが、小さく始めて育てることが大切です。

また、あらかじめ記事のテーマを決めることで、担当者が企画作りに悩む必要がなくなりました。具体的には、2、3カ月先にローンチが予定されているサービスや機能などから記事のテーマを決めるようにしています。それによって、取材対象のパートナーへの依頼もスムーズになりますし、そのパートナーも何を話せばいいのかイメージしやすくなります。もちろん、新しいサービスだけが対象ではなく職種や年間のイベントなどを考えて、全社的に満遍なく事業部やパートナーにスポットが当たるようにしています。

福場 取材では原稿執筆や撮影もパートナーが担当するので、その点も話しやすさにつながっていると思います。GMOペパボではアウトプットする文化が浸透していることもあり、ブログの執筆もインタビューを受けることも、アウトプットの一つとして自然に受け止められているところがありますね。

社内への企業文化の浸透が、採用におけるカルチャーマッチを生み出す

福場麻美氏

――HRブログの認知が社内で進むなかで、社外の反応や採用活動への影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

五十島 採用面接などで質問を受ける際、明らかにHRブログを読んで情報を得た上でのものだなと気付くことがあります。

福場 評価制度やキャリアパスについても紹介しているので、GMOペパボで働くことに興味を持った方が応募を検討する際に参考されていることが多いようです。

五十島 HRブログであらためてGMOペパボの良さに気付いたことを理由に、一度退職をした後にGMOペパボへ戻ってきたパートナーもいます。また、HRブログを通じて、GMOペパボの文化もリアルな姿もあらかじめ理解いただいているため、入社1カ月後のアンケート調査で入社後に感じたギャップについて聞いたところ、ギャップはないという回答が88%に達しています。

また、1年以内の退職もほとんどありません。私たちが提供するサービスは時代とともに移り変わり、技術も進化しますが、採用活動において、私たちの文化にマッチする“人財”を求めるということは一貫しています。

――HRブログは、GMOペパボをあまり知らない人にとってはタッチポイントであり、興味を持っている人のエンゲージメントを高める働きもしていることになりますね。

五十島 結果として両者に働きかけるものになっているかもしれませんが、現状では継続してアウトプットすることを優先しています。HRブログでは、社員旅行などの社内イベントのレポートを掲載することもあります。社外と社内のどちらに向けて発信するのかを議論したこともありましたが、結論としては、社内外のどちらに偏っているかといったことをあまり意識せず、あくまで内容重視でフラットに情報発信することになりました。

福場 そのため、HRブログの記事のテーマはかなり自由に設定しています。最近では、コロナ禍でテレワークがベースとなったパートナーが個人ブログやTwitterでテレワークについての知見を発言したものをTips集として掲載したこともありました。

――コンテンツのテーマ設定を自由にしていると、内容のチェックや質の担保といったことに影響はありませんか。

福場 それについては私も初めの頃は少し懸念していたのですが、驚くことに、パートナーに自由に書いてもらってもクオリティやトーンにバラつきがほとんどないのです。さきほどのテレワークの記事も、会社としてではなく個人としての発信をまとめたものであるにも関わらず、特に違和感はありませんでした。

それはやはり「わたしたちが大切にしている3つのこと」がしっかり社内で共有されていることが大きいと思っています。企業カルチャーが浸透しているパートナーがHRブログをはじめ、個人のSNSなど様々な場所で情報発信を行い、その内容に共感した方がGMOペパボに興味を持ち入社いただく。“発信”をベースとしたこの循環で、ペパボのカルチャーは今後さらに成熟していくのではないかと思います。

変わらない役割と変化への対応のバランスを取り、採用に直結するメディアを目指す

福場麻美氏(左)、五十島啓人氏(右)

――これからのニューノーマル時代に向け、オウンドメディアを利用したリクルーティングは、GMOペパボにおいてどのようなものになるのでしょうか。

五十島 HRブログもテックブログも、GMOペパボを映す鏡という点では新しい世の中においても変わらないでしょう。さきほど話に挙がったテレワークにおけるライフハックなど、環境の変化に合わせて扱うテーマが変化する可能性はありますが、GMOペパボとしての想いや働き方、文化をフラットかつオープンに発信していく役割に大きな変化はないと思います。

HRブログはこれまで認知してもらうことを目標にコンテンツの充実を図ってきました。これからはフェーズを一段階上げて、より直接的に採用へ結びつくことを目標にしたいと思います。KPIも認知度の向上をゴールにしていましたが、採用数にどう寄与したかに設定することを考えています。今後はHRブログが今まで以上にエントリーのきっかけとなることを目指します。

おかげさまで今回、「Owned Media Recruiting AWARD 2020」を受賞することができました。しかし、残念ながらグランプリではありません。HRブログやテックブログをはじめ、オウンドメディアリクルーティングにおいてやるべきことはまだまだあると考えています。

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