CASE STUDY

先進的な採用活動を行う企業を表彰「オウンドメディアリクルーティング アワード2019」

2019.12.26

2019年11月28日、「オウンドメディアリクルーティング アワード2019」が開催された。このアワードは、オウンドメディアリクルーティングを積極的に取り入れて先進的な採用活動を行っている企業を表彰するものだ。会場には企業の採用担当者のみならず、20社を超えるメディアが集まり、オウンドメディアリクルーティングに対する関心の高まりが伺えた。
入賞5社の表彰、およびグランプリ企業が発表された会の様子をレポートする。

魅力的な情報発信を行う企業が揃う、レベルの高いアワードに

魅力的な情報発信を行う企業が揃う、レベルの高いアワードに

会の冒頭、Indeed Japan代表取締役/ゼネラルマネジャーの高橋信太郎氏は、「HR業界全体で、多くの変化が顕在化した年だった」と2019年を振り返った。経団連 中西会長による「終身雇用を見直す必要がある」という主旨の発言や、大手企業の中途採用割合引き上げなどが、社会の変化を象徴するニュースとして挙げられた。
また求職者側の「インサイトの変化」も顕著であり、「仕事探しのキーワード」も変化しているという。高橋氏は、企業が自社の強みや魅力・仕事内容を求職者視点に立って見つめ直し、言語化して伝えることの重要性を述べた。

「現在起きている社会の変化・求職者の変化に対応するための採用手法が、オウンドメディアリクルーティングです。記事型、ブログメディア、採用サイト、SNS、社員など、自社メッセージを媒介するものを広く“オウンドメディア”だと捉えています。これらを活用することで、適切なメッセージを適切なタイミングで求職者に届けることが可能となります」(髙橋氏)

Indeed Japanは2018年10月より、オンライン、オフラインを横断してさまざまな形でオウンドメディアリクルーティングの重要性を伝える活動を続けている。その内容に注目・共感する企業は多く、初めての開催となるオウンドメディアリクルーティング アワードも多数の企業から応募があるなど、注目を集めた。
審査は、「オウンドメディアリクルーティング戦略」「シェアードバリューコンテンツ」「ジョブディスクリプション」の大きく3つの観点から行われ、書類選考による1次審査で14社に絞られた。さらに審査員7名による2次選考で入賞5社を選考。アワード当日には、入賞5社から選ばれたグランプリ1社が発表された。

「入賞企業の採用サイトは、どれも求職者目線で伝えるべき情報が整理され、非常に魅力的な情報発信をされていると感じました。さらにサイトの導線設計やジョブディスクリプションの洗練さも伺え、非常にレベルの高いアワードになったかと思います」(高橋氏)

審査は、高橋氏ほか以下のメンバーによって行われた。

  • ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役 黒田 真行氏
  • 株式会社サイバーエージェント 取締役 人事統括 曽山 哲人氏
  • 神戸大学大学院 経営学研究科准教授 服部 泰宏氏
  • BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長 浜田 敬子氏
  • 株式会社ロフトワーク 代表取締役 林 千晶氏
  • 株式会社メルカリ/株式会社メルペイ People Talent Acquisition Group Manager|Inhouse Editor 松尾 彰大氏

(氏名 五十音順)

まずは、惜しくもグランプリを逃したものの、取り組みを高く評価された入賞4社を五十音順に紹介する。

【入賞】オイシックス・ラ・大地株式会社:印象的なジョブディスクリプション

【入賞】オイシックス・ラ・大地株式会社:印象的なジョブディスクリプション
右:オイシックス・ラ・大地株式会社 小川佐智江氏 / 左:審査員・プレゼンターを務めた、株式会社サイバーエージェント 曽山哲人氏

食品の定期宅配サービス「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の3ブランドを運営する、オイシックス・ラ・大地株式会社。特徴的なジョブディスクリプションが評価のポイントとなった。採用サイトは、基本的な情報の掲載はもちろん、職種ごとのやりがいや、職場の環境がすぐ理解できるように設計されている。またnoteなど他チャンネルのコンテンツ制作に力を入れたり、デザイナーの制作物をPinterestに掲載するユニークな発信を行っていたりする点も評価された。

「サイトを開いた瞬間から明るい雰囲気が伝わってくる。ジョブディスクリプションに口語体で説明が添えられているのがとても印象的で、形式的になりがちな募集要項に温かみが加わっています」(審査員・株式会社サイバーエージェント 取締役 人事統括 曽山哲人氏)

HR本部 人材企画室 採用広報担当の小川佐智江氏は、「採用サイトでどのように情報発信をするか、日々悩みながら進めておりました。その中でこのような賞をいただき驚いています。社内の採用チーム、社外のパートナーの方達が一緒につくり上げてくれているので、この場を借りて感謝申し上げたいと思います」と喜びを語った。

【入賞】株式会社コロプラ:コアな情報から伝わるアイデンティティ

【入賞】株式会社コロプラ:コアな情報から伝わるアイデンティティ
右:株式会社コロプラ 多家文葉氏 / 左:審査員・プレゼンターを務めた、ルーセントドアーズ株式会社 黒田真行氏

2008年に設立され、スマートフォンネイティブアプリの開発を行う株式会社コロプラ。2015年にリリースされたオウンドメディア「コロプラ Be-ars」の取り組みが高く評価された。クリエイターによる技術情報や取締役の本音まで、他メディアでは出せないコアな情報を公開。写真や動画を多数掲載し、職場環境や社員の顔を伝えることで、求職者や社員の家族にも安心感を抱いてもらえるようにしているという。

「優秀な求職者であるほど、企業名や提供する製品・サービスからイメージされるその企業のイメージと、実際にその企業が提供している各種メディアのイメージの間の一貫性を気にしています。必要な情報を提供するという機能性はもちろんのこと、“外部に提示される組織のアイデンティティの一貫性”が同社のオウンドメディアの魅力だと思います」(審査員・神戸大学大学院 経営学研究科准教授 服部泰宏氏)

HR本部 人事部 ベアーズグループ「コロプラ Be-ars」編集長の多家文葉氏は、「Be-arsは、社内の各所から寄せられる意見に一つひとつ応えてきた結果、今のスタイルになりました。『職種やチームの垣根を越えて、おもしろいものを作るために意見を言い合う』という企業文化を体現したようなメディアに対して、外部の方から評価いただけたことに感動し、誇りに思います」と語った。

【入賞】株式会社ディー・エヌ・エー:職種ごとにカスタマイズされた情報提供

【入賞】株式会社ディー・エヌ・エー:職種ごとにカスタマイズされた情報提供
右:株式会社ディー・エヌ・エー 榮田佳織氏 / 左:審査員・プレゼンターを務めたIndeed Japan 株式会社 高橋信太郎氏

ゲーム、エンターテインメント、スポーツなどさまざまな分野でインターネットやAIを活用したサービスを提供する、株式会社ディー・エヌ・エーは、オウンドメディア「フルスイング」の他、ゲーム事業部に特化したオウンドメディア「GeNOM」や職種にフォーカスした「DeNA Engineer’s Blog」「DeNA DESIGN BLOG」を運用。その質が評価された。

「職種別に異なる指向性があることを前提に、それぞれ訴求方法を変えるなどの工夫レベルが高いと感じます。あれこれ伝えたいことを欲張らずに、ピープルとカルチャーに振り切ったカテゴリー設計などもきわめて強固な企画の骨格を持っています」(審査員・ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役 黒田真行氏)

ヒューマンリソース本部人材開発部「フルスイング」プロデューサーの榮田佳織氏は、「フルスイングは運用開始して2年になりますが、試行錯誤がありました。DeNAには発信すべき魅力的な人、内容が多くあり、それを外に向けて届けられることにやりがいを感じています」とコメントした。

【入賞】合同会社DMM.com:シンプルに伝え、求職者の企業理解を促進

【入賞】合同会社DMM.com:シンプルに伝え、求職者の企業理解を促進
右:合同会社DMM.com 林英治郎氏 / 左:審査員・プレゼンターを務めた株式会社メルカリ/株式会社メルペイ 松尾 彰大氏

動画配信、FX、英会話、ゲーム、太陽光発電など40以上の多様なサービスを展開する合同会社DMM.com。コーポレートサイトは「BUSINESS」「PEOPLE」「TECHNOLOGY」という3つのカテゴリーに分け、事業が多岐にわたるにも関わらず、情報が精査されたシンプルなサイトを実現。またオウンドメディアの「DMM inside」ではDMMの技術やカルチャーの情報を発信している。

「ドメイン最適化やコンテンツの量と質を高いレベルで発信されている点を、非常に評価させていただきました。また、DMM.insideのみならず、採用サイトやコーポレートサイトも含めた情報流通の設計力の高さも際立っています」(審査員・株式会社メルカリ/株式会社メルペイPeople Talent Acquisition Group Manager|Inhouse Editor 松尾彰大氏)

人事総務本部 人事部 部長の林英治郎氏は、「正直に率直に、いいところも課題も含めて候補者に届けていく上で、オウンドメディアを中心とした発信は今後採用活動に欠かせない取り組みだと思っています。こういった活動を今後も強めてよりよい出会い、働く場を提供したい」と抱負を述べた。

【グランプリ】サイボウズ株式会社:自社の魅力を能動的に伝える高い発信力

【グランプリ】サイボウズ株式会社:自社の魅力を能動的に伝える高い発信力
右:サイボウズ株式会社 人事本部部長 兼 チームワーク総研 研究員 青野誠氏 / 左:審査員・プレゼンターを務めたIndeed Japan 株式会社 高橋信太郎氏

そして、アワード当日に発表されたグランプリは、サイボウズ株式会社が受賞した。
「サイボウズOffice」「Garoon」「kintone」「メールワイズ」などのグループウェア事業を展開するサイボウズは、オウンドメディア「サイボウズ式」、エンジニアサイト「Cybozu Tech」などを運営。「サイボウズ式」では、採用に限らず、誰が読んでも読み応えのあるコンテンツを展開している。その発信力は審査員全員が「殿堂入り」と称するするほど、高く評価された。

「サイボウズの発信力は群を抜いています。ここで言っておきたいのは、2005年には離職率28%と、辞めてしまう社員に悩める普通の会社だったこと(ここ数年は5%を切る水準に下がっている)。10年でここまで変われる、それを教えてくれるいい事例です」(審査員・株式会社ロフトワーク 代表取締役 林千晶氏)

「自社の社員紹介に止まらず、目指す価値観を体現する他社、共通のビジョンを持つ人物まで掲載することで、よりサイボウズが目指している到達点の高さやスケールが伝わってきます。この会社でこの経営者のもとで働いてみたい、と思わせるメディア」(審査員・BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長 浜田敬子氏)

人事本部部長 兼 チームワーク総研 研究員の青野誠氏は「7年前は説明会をしてもまったく人が来なかった」と振り返る。
「そのころから考えると、このような日が来ると思わなかった。採用活動は人事だけでなく広報、エンジニア、それぞれができることをみんなでやってくということを大切にしています。グランプリに甘んじることなく、自社、候補者さん、社会にとってもよりよい採用活動はなんなのかということを、みなさんと一緒に探求しながら続けていければと思っています」と喜びを表した。

入賞4社、グランプリ1社には、トロフィー授与とともに、米国テキサス州のオースティンで来年5月に開催される大規模HRカンファレンス「Indeed Interactive 2020」に特別招待される。

表彰式に続いては、各社の取り組みをより詳しく掘り下げるパネルセッションが行われた。その模様は別途レポートする。

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