COLUMN & INTERVIEW

「この会社で働く」イメージを伝えるカルチャーコンテンツ 作成時に意識すべき6つのヒント――オウンドメディアリクルーティング実践方法(6)

2019.08.23

今回のステップ6のテーマは、「⑥企業文化・社風・行動様式・行動規範などを表現するカルチャーコンテンツを発信」することです。ステップ4で、「④シェアードバリューコンテンツ」はパーパスコンテンツとカルチャーコンテンツの2つの軸で構成されると紹介しました。今回はカルチャーコンテンツにフォーカスし、作成時に意識すべき6つのヒントを中心に紹介します。

■企業文化・社風・行動様式・行動規範などを表現するカルチャーコンテンツ

カルチャーコンテンツ

カルチャーコンテンツとは、企業文化、社風、行動様式、行動規範などを表現したもので、企業独自の価値観を言語化したものや、社風を形成する仕組みを伝えるコンテンツを通して、社員がどんな環境で仕事しているかを表すものです。「この会社で働いたら、どんなワークライフになるだろう」というイメージを伝えることで求職者の共感を喚起します。

*カルチャーコンテンツの解説は、「選ばれるための情報発信 『シェアードバリューコンテンツ(Shared Value Content)』とは?」をご参照ください

カルチャーコンテンツを作成するに当たっては、自社が公式に開設しているSNSやブログを活用して社員の「声」や社内の日常を直接伝えたり、テキストだけでなくビジュアルで訴えたりしていくことが効果的でしょう。具体的に紹介していきます。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント① 社員インタビューは様々な職種のものを用意

社員インタビュー

社員のインタビューは、そこで実際に働いている人の「声」を通して、リアルな体験を伝えます。それにより求職者は働く姿をイメージできます。インタビューは経営陣から中堅、若手まで様々な社員を登場させて、あらゆる角度から社内の風土や環境が語られている形にします。

成功体験だけでなく、悩みや壁をどう乗り越えていったのかなど、社員が等身大の姿を伝えることは、シェアードバリューコンテンツ作成のポイントとして挙げた「透明化」にもつながります。

一例として参考になるのは、株式会社ディー・エヌ・エーの採用にフォーカスしたオウンドメディア「フルスイング」。記事をカルチャーとピープルという切り口で分類し、「南場智子が訊くキャリアの本質」「私の所信表明」「モノづくり対談」など、読者目線で考えられたバラエティーに富む切り口を設けています。求職者は会社の様々な側面を伝えるコンテンツのなかから、自分の価値観に合わせて関心のある記事を読み進められます。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント② プロジェクトをストーリー化して掲載

プロジェクトストーリー

具体的なプロジェクトを起点に関わった各社員のストーリーを伝えれば、メンバーの価値観も可視化され、読み手は企業文化や行動様式をより自分ごと化して受け取ることができます。

  • 社員が参加することになったプロジェクトチームは、どんなメンバーが集まっていたのか
  • 社員がプロジェクトを進めながら、メンバーとどんな関係を築いていったのか
  • 社員がプロジェクトで壁にぶつかったとき、どのようにメンバーと向き合い、乗り越えていったのか
  • 社員がプロジェクトをやり遂げた後、チームリーダーから学んだことは何だったのか
  • 社員がプロジェクト終了後、新しいチームのリーダーになり、メンバーとどんな関係を築こうとしているのか

たとえば、ソフトバンク株式会社のキャリア採用ページにあるプロジェクトストーリー「AI事業推進プロジェクト」では、プロジェクトが始まった背景、プロジェクトに携わった関係者の想い、プロジェクトが生み出した影響などが順を追って語られています。その結果、ソフトバンク株式会社のカルチャーに共感しながら読み進められます。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント③ 福利厚生・社内制度を丁寧に紹介

福利厚生・社内制度

福利厚生や社内制度を一つひとつ丁寧に紹介することも、求職者にアピールする重要な要素です。その制度が作られた背景や、その恩恵を受けた社員の声を発信すると、どのようなメリットがあるのか分かりやすくなります。それは、求職者が自社に対して憧れやポジティブな印象を持つことにつながるのです。

株式会社サイバーエージェントの採用ページにある「安心できる福利厚生」では、「女性活躍促進制度 macalon」や「ENERGY(技術者向け支援制度)」など、対象者ごとに分けて制度を紹介しています。特に、「女性活躍促進制度 macalon」は、「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」というコンセプトが設定され、WEBデザインもコンセプトのイメージに結びつけられています。欲しい人物像を明確にしたうえで、求職者の関心を喚起している良い例と言えます。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント④ オフィスの様子もアピールポイントに

オフィス

デザイン性が高いおしゃれなオフィスの写真を採用サイトに使えば、どんな環境で仕事することになるか視覚的にアピールでき、求職者にわかりやすく訴求できるコンテンツになります。

最近は、フリーアドレスを導入したり、リフレッシュできる空間を取り入れたりすることで、社員同士の活発なコミュニケーションを促すなど、オフィスのデザインは重要性を増しています。写真や動画を加えることで、オフィスの魅力をより効果的に伝えられるでしょう。

ラクスル株式会社の採用ページにある「働く環境」では、オフィスの写真ギャラリーも掲載しています(*オフィス移転当時のもの)。さらにGoogleストリートビューを利用することで、まるでオフィス内を歩いて見て回っているような工夫をしています。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント⑤ 組織データはインフォグラフィックスを使う

インフォグラフィックス

インフォグラフィックスを用いて、企業のデータを直感的に理解できるように伝えれば、自社の“ありのままの姿”をより効果的に発信できます。たとえば、平均年齢や男女比といった社員に関するデータや、有給取得率や育休取得率といった福利厚生に関するデータなどは、企業の本質を表しており、求職者も高い関心を持っています。

ただ、組織データを掲載している企業は多々あるものの、テキストだけで書かれていると把握しづらいものです。採用面接をしていると、「この求職者は私たちの会社のことを調べているのだろうか?」と思うことがあるかもしれません。企業側もわかりやすく見えるよう視覚的な工夫をしているか見直してみましょう。

株式会社LIFULLの採用ページにある「早わかりLIFULLデータベース」では、子会社数や海外展開国数などを一目見ただけで分かるグラフィックを使って見せています。また、掲載するデータも、「有給取得率」「産休・育休取得率/復帰率」など、求職者が気になるようなトピックを選んでいます。

■カルチャーコンテンツ作成のヒント⑥ SNSで会社の日常を伝える

SNS

日常的に行われる社内イベントや勉強会などを自社のSNS公式アカウントで発信すると、その会社で働く具体的なイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。昨今は、現場で働いている社員が生の声を直接発信する傾向にあります。こうした日常的な内容は、自社のSNSやブログを活用してリアルタイムに、また定期的に発信することが重要でしょう。

SNSを通して社員のフランクな姿を伝えることは、シェアードバリューコンテンツを作成する際のポイントとして挙げた「意味報酬」にもつながります。現在は、どんな価値観を持った人と一緒に仕事をするかが、やりがいや仕事の意義・働きやすさにつながると考える求職者が増えています。

以上の6点がカルチャーコンテンツ作成時に意識したいヒントです。これらに留意して、「この会社で働く」イメージを求職者に伝えられるカルチャーコンテンツを作成していきましょう。

次回は、SNS・ブログ・イベントなど、採用サイト以外のチャネルをオウンドメディアとして考え、それらをどのように組み合わせて情報発信すればいいのか紹介します。

【2019年9月24日開催】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.4 - 実践企業が語るオウンドメディアリクルーティングの効果 -』

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