COLUMN & INTERVIEW

「自社が目指す姿」を伝えるパーパスコンテンツ 作成時に意識すべき3つの「伝え方」――オウンドメディアリクルーティング実践方法(5)

2019.08.08

今回のステップ5のテーマは、「⑤企業理念や自社の社会的な存在意義を表現するパーパスコンテンツを発信」です。ステップ4で、「④シェアードバリューコンテンツ」はパーパスコンテンツとカルチャーコンテンツの2つの軸で構成されると紹介しました。今回はパーパスコンテンツにフォーカスし、作成時に意識すべき3つの「伝え方」を中心に紹介します。

企業理念や自社の社会的な存在意義を表現するパーパスコンテンツ

パーパスコンテンツ

パーパスコンテンツは、企業理念や自社の社会的な存在意義を表現したものです。たとえば、「経営者のメッセージ」「経営理念」「ミッション・バリュー」「経営陣のインタビュー」などがこれに当たります。

パーパスコンテンツの解説は、「選ばれるための情報発信 『シェアードバリューコンテンツ(Shared Value Content)』とは?」をご参照ください

パーパスコンテンツを作成するに当たっては、3つの「伝え方」を意識しましょう。具体的に紹介していきます。

パーパスコンテンツ作成時に意識すべき「伝え方」① 創業者・経営者の「声」で伝える

創業者・経営者の「声」で伝える

ヒント①は、創業者・経営者の「声」で伝えることです。

パーパスコンテンツは、企業理念や自社の社会的な存在意義を表現するものです。もちろん、パーパスそのものが明確に掲載されていることも大切ですが、それだけでは読み手である求職者に「自分ゴト化」されにくいでしょう。
創業者・経営者が、自らの思いと自社の目指す姿を、自身の「声(メッセージ)」としてしっかり示すことによって、より求職者に共感してもらいやすい形でパーパスを伝えることができます。

そして、パーパスコンテンツを、創業者・経営者の「声」として届けることを意識すれば、写真や言葉選びも変わってくるはずです。
たとえば、写真はプロフィール写真のようなかしこまった“ありもの”の写真ではなく、「パーパスに共感する人に、ぜひ自社に来てほしい」という想いが感じられるような、撮りおろしの写真がふさわしいかもしれません。また、どのような経緯で今のパーパスを掲げるに至ったのか、創業者や経営者の経験・想いなどエピソードを交えて語ることで、パーパスがより理解・共感されやすくなるでしょう。

なお、創業者・経営者が自らの「声」を発信することは、シェアードバリューコンテンツを作成する際のポイントの1つとして紹介した「透明化」にもつながります。

パーパスコンテンツ作成時に意識すべき「伝え方」② ストーリーとして伝える

ストーリーとして伝える

ヒント②は、パーパスの実現に向けて自社はどのような活動を行っているのか、そして、それは社会にどのように影響するのかを、ストーリーとして伝えることです。

求職者が「意味報酬」を重視するようになった今、「やりがい」は仕事選びに大きな意味を持ちます。だからこそ、パーパスに基づく企業活動、つまり働くことを通じて、社会にどのように貢献できるかを伝えることが大切です。

それには、社員一人ひとりの目線から見た「ストーリー」を通してパーパスを伝えることが有効です。先輩社員がパーパスの実現に向けてやりがいを感じながら働く姿は、求職者が自社に共感し、自社で働く姿を想像する助けとなります。

・先輩社員は入社前、どのようなきっかけでその企業の理念に共感したのか
・先輩社員が入社後、あるプロジェクトを推進する時にぶつかった壁は何だったのか
・先輩社員はその壁をどのように乗り越えていったのか
・先輩社員がプロジェクトをやり遂げて、新たに気づいた企業の社会的な存在意義は何か
・先輩社員がプロジェクト終了後、仕事を通じて社会のために成し遂げたいと思ったことは何か

社員一人ひとりのストーリーは、求職者の共感を促すだけでなく、彼らの自社に対する理解も促進します。求職者が会社の理解を深めた上で応募すると、面接の対話もより有意義なものになります。その結果、会社側も求める人材像により近い人材の採用へつなげられるでしょう。

パーパスコンテンツ作成時に意識すべき「伝え方」③ 動画で伝える

動画で伝える

ヒント③は、抽象的なパーパスを動画で表現して伝えることです。

経営理念、ミッション・バリューなど、パーパスコンテンツとなる内容の多くは、概念的・抽象的なものです。そのため、言葉だけでは直感的に理解しにくかったり、真意が伝わりにくかったりするケースもあります。そのような場合に、ビジュアル中心でストーリーも踏まえて表現できる動画の活用が有効です。

一例として、Sansan株式会社では、自社のミッションを表現する動画『出会う、が、世界を変えていく。』を作成し、会社説明会で紹介する取り組みを行っています。同社人事部部長の大間祐太氏は、この効果は大きいと、以下のように語ります。

「会社説明会で会社のミッションを伝える動画を見せると、イメージとしても『かっこいい』、『魅力的な会社なんだ』という感じで見入ってくれます。その後、われわれのミッションである『出会いからイノベーションを生み出す』ことについて話し、最後に今取り組んでいる名刺管理サービスを説明します。そこまで話して行き着くのが、これまでは『名刺管理かよ』という反応だったのですが、動画を活用し始めた今年度からは『なるほど。だから名刺管理なんだ!』という前向きな反応が明らかに多くなったと感じます」

「名刺管理」と「イノベーション」がどう結びつくのかという伝えづらい価値を、出会う前(応募前)に伝え、納得・共感を促すという、動画活用の好例と言えるでしょう。

以上3点がパーパスコンテンツ作成時に意識したい「伝え方」のヒントです。これらに留意し、自社のパーパスが求職者により伝わる形を考えながら、パーパスコンテンツを作成していきましょう。

次回は、シェアードバリューコンテンツを構成する2つの軸のうち、企業文化や社風や行動様式や行動規範を発信するカルチャーコンテンツ作成のためのヒントにフォーカスします。

関連記事

RANKING

1
CASE STUDY
2019/07/04
“クルー”採用年間7万人のマクドナルドが考えるオウンドメディアリクルーティング
2
EVENT
2019/04/19
優秀な人材の獲得に向けて、「オウンドメディアリクルーティング」を実践するための5ステップ
3
CASE STUDY
2019/07/29
“生態系の集合体”であるDMM.comが、自ら動く人材獲得に向けて実践する十人十色の情報発信力
4
EVENT
2019/04/10
採用革新が進む時代、企業はオウンドメディアで何を伝えるべきか
5
CASE STUDY
2019/09/25
3社統合で急速拡大したオイシックス・ラ・大地、“採用支援”と“社員応援”を兼ねたオウンドメディア活用法
ページ上に戻る