CASE STUDY

MBAだけじゃないグロービス ── オウンドメディアでの「ストーリー発信」で人材獲得

2019.02.12

売り手市場が続く中、企業はどのようにして優秀な人材を獲得していけばよいのか。その鍵は、自社主体のメディアで十分かつ適切な情報を発信し、現代の求職者のニーズに合った採用活動を展開する「オウンドメディアリクルーティング(詳しくはこちらから)」にある。その実践を通じて具体的な成果を出しているのが、「グロービス」だ。アジアナンバーワンのビジネススクールを目指しつつ、グループにはベンチャーキャピタルも抱える同社の経営管理本部本部長、林恭子氏に聞いた。

きっかけは「MBA、大学院のイメージが強かったこと」

こちらを向く林さん
グロービス経営管理本部長・マネジング・ディレクターの林恭子さん。ボストン・コンサルティング・グループで人事担当リーダーとしてプロフェッショナル・スタッフの採用、能力開発などを担当。グロービスでは、人材・組織に関わる研究や教育プログラムを開発後、経営管理全般を統括。リーダーシップ、人材マネジメント、キャリア開発等の領域を中心に、グロービス経営大学院や企業研修の講師を多数務める。共著書に『【新版】グロービスMBAリーダーシップ 』(ダイヤモンド社)、『「変革型人事」入門』(労務行政)など。

——採用サイトを2017年にリニューアルしたそうですが、その経緯を教えてください。

「グロービス」と聞くと多くの方がMBA、大学院を思い浮かべてくださいます。それだけグロービス経営大学院が広く認知されているわけでとてもありがたいのですが、その反面、採用に関しても「いわゆる大学職員」のような人を求めていると誤解されていたのです。

実際のところグロービスは、ヒト・カネ・チエというコンセプトで運営されています。ヒトとは「経営大学院の創設・企業内リーダーの育成」、カネは「ベンチャー企業への投資」、そしてチエは「経営ノウハウの出版・発信」です。

この3つによって大きな生態系をつくり、社会の創造と変革を行うことが私たちのビジョン。グロービスがどのような事業を行っているのか、どんな人を求めているのか、もっとご理解いただく必要があると考えました。

同時に、社員を通じてのリファラル採用もより進めたいと考えていました。社員から「グロービスがどういう会社なのか、効果的に伝えられるオウンドメディアがあるといい」という意見があり、思い切って求人サイトを改訂することにしました。

卒業生が経営するWeb制作会社に相談したところ、「単なる求人情報の掲載ではなく、読み応えのあるものにしませんか」という提案がありました。社員インタビューのほか、社員が関わったプロジェクトをストーリー仕立てで掲載するなど、読み物として面白くなるよう心がけています。

「自由と自己責任」に共感して入社

グロービスのオフィス入り口

——頻繁に更新ができない、PVを求め始めてしまうなどという理由から、オウンドメディアはなかなか続かないという企業もあるようです。何かKPIはあるのでしょうか。

私たちを知っていただく入口としての機能が果たせていればいいと思っているので、PVはあまり意識していません。採用サイトだけでなく社員にもFacebook、TwitterなどSNSでの発信を勧めており、弊社に興味を持っていただいた方が調べてこのサイトにたどり着いた、という形になると嬉しいですね。

応募者の方からは「サイトを見ました」「理念に共感しました」とおっしゃっていただくことが増えました。特に共感いただくのは、「HRポリシー」の「性善説に則った『自由と自己責任』の原則」。各自がリーダーシップを持って主体的に動くからこそ、自らの可能性を広げていくことができ、結果としてグロービスの可能性も広がる。一方で、自律した大人の自由には、それに伴う責任が生まれる、というものです。

社長とのランチ会、年1回の合宿で価値観を共有

インタビューを受ける林さん

——社員数が増えていく中で、企業理念を社員にどのように伝えていらっしゃるのでしょうか。

中途入社した社員については、入社1カ月以内に代表の堀義人とのランチ会を設けています。5人ほどで代表から創業の思いを聞いたり、弊社が存在する意義や大切にしている価値観をまとめた基本的理念・指針である「グロービス・ウェイ」を読んだりします。

全社員に対しては毎年、年初の戦略方針が発表された後、代表も参加する合宿が行われます。1日目は戦略方針に向けて自分たちは何ができるか議論し、2日目はグロービス・ウェイを読み合います。これは東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、シンガポール、上海の各拠点にいる約500名の社員全員をシャッフルして、6回ほどに分けて開催する一大イベント。

部門や役職が違っても普段顔を合わせていなくても、すぐに打ち解けられるんですよ。よく遊び、よく食べよく飲み、よく語り合う、楽しい合宿です。

ホワイトボードに付箋が貼られ、ミーティングをするイメージ
gettyImages

さらに、1年目と3年目にこれまでのキャリアの振り返りと棚卸しをするための研修を行います。キャリアの構築も自己責任。自分がどうなりたいかを考え、会社に申し出ることが弊社のスタンスです。そのほか、3カ月ごとに全社ミーティングを行い、経営者からその年の戦略方針を全員に伝える機会を持ちます。合計で最低でも年5回は代表から直接方針を聞くのです。

こうした中で、戦略方針は社員一人ひとりに自分ごと化されていく。加えて年に1度、「グロービス・ウェイに沿った行動をしているか」の360度フィードバック調査も実施。誰もが皆、何を求められているのかを理解しているのだと思います。

現場目線でつくられたエンジニア採用サイト

グロービスの採用サイトの一部キャプチャ
グロービスにはエンジニアに特化した採用サイトがある。一緒に働くエンジニアたちからの要望で生まれたもの。

——エンジニア・デザイナーだけに向けた採用サイトをつくっていらっしゃいます。なぜ専用のサイトをつくっているのでしょうか。

エンジニアの求人サイトは、2017年に入社したエンジニアに、エンジニアは何を求めているのか、望む情報は何か、を聞いて2018年初めに開設しました。お互い学び合いができる勉強会、パフォーマンスを向上させる快適な環境、フリーアドレスのオフィス、疲れにくい椅子、副業制度や働き方のフレキシビリティ……など、エンジニアにとって重要な情報を発信しています。

多様な人材と、それぞれの働き方が存在するイメージ
gettyImages

新しいデジタル事業へのエンジニアの採用は、この2年間でゼロから50人ほどに急増。彼らが弊社を選んだ理由はいくつかありますが、1つ大きな点は自分が持っている技術をより社会的貢献度の高い分野である教育、EdTech(エドテク)に生かしたい、それを実現できるのはグロービスだということです。グロービス・ウェイと、彼らの意思が他社との大きな差であり、グロービスのデジタル事業の推進力となっていることは間違いありません。

エンジニアは2017年12月時点で、リファラル採用が3分の1以上になっています。友人や前職の同僚を誘いたいというエンジニアは多いですね。社員の紹介は確度が高く、応募者もリアルな話を聞いた上で来ているので、入社後に「想像と違った」ということはほとんどないところがメリットとなっています。

——社員も自社の魅力を発信するメディアの1つという位置づけですね。

その通りです。だからこそどんな人を採用するかが大事。どんな社員がいるかが、その会社のすべてと言ってもいいでしょう。魅力的な社員の知り合いは、やはり魅力的なのです。このいい循環を継続していくこと。そのために人事がサポートしていくことが大切だと思っています。

制作:BUSINESS INSIDER JAPAN
※2019年2月7日 BUSINESS INSIDER JAPANに広告として掲載されたもの

Interviewee Profiles

林 恭子

林 恭子

株式会社グロービス 経営管理本部長・マネジング・ディレクター

ボストン・コンサルティング・グループで人事担当リーダーとしてプロフェッショナル・スタッフの採用、能力開発などを担当。グロービスでは、人材・組織に関わる研究や教育プログラムを開発後、経営管理全般を統括。リーダーシップ、人材マネジメント、キャリア開発等の領域を中心に、グロービス経営大学院や企業研修の講師を多数務める。共著書に『【新版】グロービスMBAリーダーシップ 』(ダイヤモンド社)、『「変革型人事」入門』(労務行政)など。

【2019年6月18日開催】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.3 〜デザイン経営と採用ブランディング〜』

【2019年6月18日開催】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.3 〜デザイン経営と採用ブランディング〜』

採用活動において、欲しい人材を獲得するために大事なのは「求職者からみた自社への印象をどう形作るか」です。本イベントでは、「デザイン経営」に精通する識者や多彩なゲストととともに、採用の観点から、「自社への印象をどうデザインするか」について考えていきます。

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