CASE STUDY

DeNAが20年経っても「永久ベンチャー」を掲げる理由

2019.01.31

採用難時代においても、自社での採用力を高め、優秀な人材獲得に成功している企業もある。Eコマース、コミュニティー、ゲームと事業領域を拡大してきたDeNAもその1社だ。

今やインターネット上のサービスだけでなく、スポーツ、オートモーティブ、ヘルスケアなど多角的に事業を推進しているが、大企業となっても自らを「永久ベンチャー」と呼ぶチャレンジ魂は変わらない。DeNAらしいパッション全開の採用サイトは、どのように運営されているのか。同社ヒューマンリソース本部キャリア採用グループマネージャーの大西絵満氏に話を聞いた。

「それって『こと』に向かってないよね」

こちらを向く大西さん
株式会社ディー・エヌ・エーヒューマンリソース本部キャリア採用グループマネージャーの大西絵満さん。2009年 DeNAに中途入社。大学で臨床心理学を学んだ後に、音楽メディア企業での営業職やアーティストマネジメントを経験。DeNAに入社後は企画・営業、新規サービス立ち上げ、ソーシャルゲームのプロデューサーを経て、人事に異動。人事ではHRBP、リソースアロケーション、組織開発、人材育成から、キャリア採用のマネージャーと幅広く担当している。また、現在はEAPメンタルヘルスカウンセラーとして社内外の就業者支援を行い、2017年には社内に「キャリア相談室」を立ち上げ従業員の自律的なキャリア開発支援を行っている。

──DeNAの採用サイトに掲げられている「永久ベンチャー」というビジョンが印象的です。この言葉に込められた思いを教えてください。

DeNAは従業員数2000人を超える企業となり、しかも多角経営を展開しているので、事業ごとに取り巻く環境にも大きな違いがあります。そんな状況下でも、共通して持っているのが、「永久ベンチャー」です。「永久ベンチャー」とは、新しい価値を創造して世の中に提供し続ける組織でありたいというDeNAの創業以来のスタンスを示すもの。それは世の中に歓迎されてはじめて可能になります。ユーザーと社会から熱く支持され、高く評価される“ものづくり”に挑戦をしていきたいと考えています。

──企業規模が大きくなると、「永久ベンチャー」であり続けること、会社として向かう方向を揃えることは難易度が高そうですが、どのように取り組んでいるのでしょうか?

私たちが「永久ベンチャー」であり続けられるのは、「DeNAQuality」という5つの行動規範があるからです。これが企業文化として浸透していることが「永久ベンチャー」であり続けられる理由だと思います。例えば、その1つに「『こと』に向かう」というキーワードがあります。価値あるサービス、ものづくりを成功させるためには、人や自分に向かわず、「こと」に集中するべきだというシンプルな指針です。

実際、社内のそこかしこで、「それって『こと』に向かってないよね」と誰かが指摘し、「確かに今ちょっと、上司の存在を気にしてしまった」といった感じの会話が交わされています。また、「発言責任」というキーワードもあり、役職や役割にかかわらず、自分の考えをしっかりと示すことが全社員に求められています。つまり、相手が誰であれ、忌憚なく自分の意見を言い、また、それに耳を傾けるのが当たり前の環境が根付いているのです。こうした企業文化が「永久ベンチャー」を支えています。

DeNAの「人」と「働き方」を届ける「フルスイング」を始動

オウンドメディア「フルスイング」

──オウンドメディア「フルスイング」の活動についてもお聞かせください。立ち上げたきっかけは何ですか?

当社では以前から、一人ひとりが生き生きと輝き、個性や能力を思いきり発揮できる環境づくりのために、月に一度、社員に「キャリアマネジメントアンケート」を実施しています。設問は「自分の力を最大限発揮できているか」、「今の仕事にやりがいを持てているか」の2つ。ところがこの両方に高いスコアをつけているメンバーは全体の約6割でした。

4割の社員が自分の力を最大限に発揮しきれていないのです。見方を変えれば、伸びしろがあるということ。それなら社員の仕事に対する熱意を高めて、最大限のパフォーマンスを引き出せば、すごい企業に変わるんじゃないか。そう考えて2017年10月、人事部が主導して「フルスイング」を立ち上げました。

名称には野球のバットをフルスイングするように、多くの社員に思い切ってチャレンジしてほしいという気持ちを込めています。等身大のDeNAの魅力を社内外により効果的に発信していくために、キャリア採用グループの中にPRを担当するブランディングチームを加えたことも特徴です。

面接でのオウンドメディア認知度は100%

インタビューに答える大西さん

──「フルスイング」での情報発信を通して達成したい目標は何ですか?

オウンドメディアを運営する際は、何をKPI(重要業績評価指標)とするかを最初に決めておくことが重要だと思っています。ここで私たちが大事にしている指標は、アクセス数ではなく認知度です。届けたいターゲット層に「フルスイング」がメディアとしてちゃんと認知され、就職活動でどのように活用されているかを重視しています。

「フルスイング」を始めて1年少し経ち、認知度が上がってきたことを感じています。ここ半年でいえば、40ポイントも上昇しています。特に採用面接に訪れる方の認知度は100%です。フルスイングのサイトを見てあらかじめ情報を把握されているので説明する手間も省けますし、面接内容も深まります。以前はお会いしないと伝えられなかったDeNAの世界観や社員の熱量を、オウンドメディアを通じて事前にわかってもらえる効果は絶大ですね。

また、「フルスイング」は社内のエンゲージメントを高める手段にもなっています。たとえば社員がオウンドメディアで自らの仕事を語る過程で、自分が何に面白さややりがいを感じているのかが具体的に把握でき、それが自信や誇りにつながっていきます。別の社員がその様子を見て、「私も出たい」と言い出す。あるいは違う事業部が「うちでもやりたい」と希望する。今、そういう好循環になっています。

ジョブディスクリプションは、応募者へのラブレター

「フルスイング」のTwitter
SNSでも「フルスイング」の情報を発信している。

──今後の採用活動について、さらにこんなふうに変えていきたいと思っていることがあればお聞かせください。

ジョブディスクリプション(職務記述書)はいわば応募者への企業からの手紙だと私たちは考えています。でも現状の記述スタイルだと、これからDeNAの仲間になってくださる方にお届けする情報としては形式的すぎる気がしています。「フルスイング」と同じように、もっと読み手がワクワクする文章、DeNAが好きになってもらえるラブレターに変えていきたいですね。また、今後はオウンドメディアの「フルスイング」だけではなく、スカウト媒体、ツイッターやインスタグラムなどのSNS、イベントなど、いろんなチャネルと接点をつくって人とつながっていきたい。そして、今でなくても将来DeNAの仲間になってみたいと思ってくれるファンをつくっていきたいと思っています。

制作:BUSINESS INSIDER JAPAN
※2019年1月29日 BUSINESS INSIDER JAPANに広告として掲載されたもの

Interviewee Profiles

大西 絵満

大西 絵満

株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 キャリア採用グループマネージャー

2009年 DeNAに中途入社。大学で臨床心理学を学んだ後に、音楽メディア企業での営業職やアーティストマネジメントを経験。DeNAに入社後は企画・営業、新規サービス立ち上げ、ソーシャルゲームのプロデューサーを経て、人事に異動。人事ではHRBP、リソースアロケーション、組織開発、人材育成から、キャリア採用のマネージャーと幅広く担当している。また、現在はEAPメンタルヘルスカウンセラーとして社内外の就業者支援を行い、2017年には社内に「キャリア相談室」を立ち上げ従業員の自律的なキャリア開発支援を行っている。

【2019年3月13日開催イベント】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.2 〜採用を革新するオウンドメディアの可能性〜』

【2019年3月13日開催イベント】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.2 〜採用を革新するオウンドメディアの可能性〜』

近年の採用革新の一端として、自社の理念・文化を体現した採用活動や、それに基づく主体的な情報発信を行う企業が現れ、その多くは、自社とマッチした人材の採用に成功しています。本サミットでは、 近年注目される「オウンドメディアリクルーティング」を中心に、日本企業が目指すべき採用の形と、オウンドメディアの可能性を探ります。

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