CASE STUDY

1分半の動画で、応募者に思いを届ける──Sansanがいま一番伝えたいこととは

2019.01.30

優秀な人材を確保できない──。多くの企業がこのような悩みを抱える一方で、高度なスキルや豊富な実務経験を持つ人材の採用に成功している企業もある。明暗を分ける要因の1つが、求職者に対して自社から積極的に有用な情報を発信する「オウンドメディアリクルーティング(詳しくはこちらから)」だ。

オウンドメディアリクルーティングを展開し、企業が求める要件を満たすだけでなく、自社の企業文化にフィットする人材の獲得で成果を収める企業は何を考え、どのようなことを実践しているのか。クラウド名刺管理サービスを国内外で展開するSansanの実例を、同社執行役員CHRO/人事部長の大間祐太氏に聞いた。

「名刺管理かよ」が「だから名刺管理なんだ!」へ

Sansan株式会社人事部部長の大間祐太さん。大学卒業後、人材系ベンチャー企業にて採用コンサルティング部門の立ち上げを経験し、独立。取締役として自社採用メディアの運営、採用コンサルティングをメイン事業とした企業の立ち上げに従事。2010年にSansanに入社し、営業、営業マネージャーを経て採用責任者として人事部に異動。現在はCHRO/人事部長として事業成長を加速すべく採用、制度設計、組織開発に携わっている。

──動画「出会う、が、世界を変えていく。」の評判がいいそうですね。お洒落な短編動画を見るうちにSansanの目指す姿が頭の中に自然に入ってくる感じがしました。なぜこれを作られたのでしょうか。

弊社は「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを実現すべく事業を展開していますが、具体的な事業として取り組んでいるのは、クラウド名刺管理サービスです。名刺管理と出会い、そして、イノベーションがどう結びつくのか。これを学生や転職希望者に出会う前(応募前)に伝えることは難しく、それが伝わらないことに対するジレンマがありました。

実際の面接で名刺を出会いのデータとして捉えたときに広がる可能性、例えば名刺交換の傾向の分析からユーザーの新たなビジネスニーズが把握でき、さらには将来最適なビジネスパートナーとなり得る人とのマッチングも可能になる。イノベーションの手前には、いつも出会いが存在するというような話をすると、多くの方が興味を持ち、名刺管理のその先を理解してもらえます。だからこそ、まずは応募にたどり着いてもらうことが重要です。弊社に対してもともと持っていたイメージだけで「名刺管理サービスなんて興味ない」と決め込んでしまう人を少しでも減らしたい、その先にある価値を伝えたいという思いから、この動画を作ったのです。

──実際の効果はいかがでしょうか。

新卒採用に関しては、とても効いています。会社説明会でこの動画を見せると、イメージとしてもまずはかっこいい、魅力的な会社なんだという感じで見入ってくれます。その後にわれわれのミッション “出会いからイノベーションを生み出す” について話し、最後にいま取り組んでいる名刺管理サービスを説明します。これまでは、そこまで話して行き着くのが「名刺管理かよ」という反応だったのですが、動画を活用しはじめた今年度からは「なるほど。だから名刺管理なんだ!」という前向きな反応が明らかに多くなったと感じます。

その結果、説明会出席から第一次選考に進む学生の率が以前は70%程度だったのが、今年度は85%にまで跳ね上がりました。われわれはテレビCMなどにも力を入れており、必ずしもこの動画のおかげだけではないと思いますが、大きく寄与しているのは確かです。

中途採用にもよい効果が生まれています。弊社は転職エージェント経由の採用率が一番高いのですが、エージェントのキャリアアドバイザーがSansanの魅力、事業の先にあるものやミッションを候補者に伝えるのに難儀していました。でも、この動画を見てもらえれば、一発で理解してもらえる。各エージェントからは、数社の求人情報を候補者に紹介する中にSansanが含まれていると、ぜひ応募したいという人が増えていると聞いています。新卒と同じく、応募、選考意向度が高まったといえます。

ホームページ経由の直接採用を増やしていく

──御社はこの動画に限らず、採用ホームページにも力を入れていますね。その狙いも教えてください。

目的は3つあります。企業にとって採用とは社会との重要な接点です。関連するホームページを充実させることによって、まずはコーポレートブランドの向上を図りたいと思っています。いまはネット上に匿名社員によるクチコミサイトなど、以前なら知ることのできなかったリアルな情報が公開されています。そこで、企業も自ら積極的に情報発信していかないと、自社の認識とは異なる情報がネットに出てしまう可能性もある。それを避けたいという狙いもあります。

もう1つは社内へのブランディングです。採用ホームページには社員によるブログも掲載しており、いわば社内閲覧も意識した作りになっています。Sansanで働いていることが誇りに思える社員を増やし、会社と社員のエンゲージメントを強めたい。そういう目的もあります。

最後は、ホームページ経由の直接採用の増加です。ホームページ上に掲載しているSansanの情報を見ているので、われわれのことをよく理解してから応募してくる人が多いです。そのためSansanの企業文化に合致した人材を採りやすいというメリットがあります。中途の場合、直接採用の比率は全体の15%にまで高まっており、今後はもっと増やしたいと思っています。

──採用ホームページを拝見すると、年収含め、詳細なジョブディスクリプション(職務記述書)を公開していますね。例えば開発エンジニアの項目を見ると、「やりがい」「必須スキル」「歓迎スキル」「語学力」、年収まで、かなり細かく書かれています。

これにもいくつか目的があります。まず、弊社への応募率を高めていく仕掛けだということ。ジョブディスクリプションを掲載することにより検索性が上がり、Sansanの名前を知らなくても、検索エンジンからわれわれの採用ページに辿り着いてくれる可能性があるわけです。

もう1つはスクリーニングです。詳細なジョブディスクリプションを公開しておくことで、求める人材により近い人が応募してくださるため、採用効率が高まります。

ジョブディスクリプションは絶対ではなく、きっかけ

「世界を変える『出会い』」という言葉は、ペットボトルにも印刷されている。

──ジョブディスクリプションを細かく書き過ぎると、入社後、「この仕事は定義書にはなかった」「定義書にあった仕事だけをやらせてください」という面倒が発生しませんか。

そこは面接で解消していきます。IT業界は経営環境の変化が非常に激しく、朝令暮改は当たり前の世界。今日は「白」といわれていたとことが明日は「黒」になるかもしれない。ジョブディスクリプションに書かれた内容も永久不変なものではなく、いつでも変わり得るということです。 重要なのは、会社のミッションと各自が実現したい夢を重ねていくこと。弊社に興味を持っていただく入口はジョブディスクリプションで構いませんが、そこから真剣な対話を繰り返し、そういう会社ならぜひ働きたいという人に入ってもらっています。

──今後、力を入れていきたい採用手段があったら教えてください。

弊社には450名ほどの社員がおり、そのうち約20名がR&D部門のメンバーです。社員の約5%をデータサイエンティストが占めている会社は稀かと思います。名刺管理、出会いのデータを科学し、新たなサービスを立ち上げるには彼らの力が非常に重要であり、その役割を担っているR&D部門の採用には特に力を入れています。

少し前にはこんなことも試みました。世界中から40万人を超えるデータサイエンティストが集う「Kaggle(カグル)」というオンライン上のコミュニティがあります。そのアカウントを辿って、世界のトップ80に名を連ねている数名の日本人ユーザーに、SNSを通じて弊社代表の寺田からダイレクトでメッセージを送り、そこから入社につながったメンバーもいます。今後もこういうチャレンジは重ねていきたいと思っています。

採用は企業にとって最も重要な「出会い」ともいえます。「出会う、が、会社を変えていく」採用を、1つでも多く実現していきたいと思っています。

制作:BUSINESS INSIDER JAPAN
※2019年1月28日 BUSINESS INSIDER JAPANに広告として掲載されたもの

Interviewee Profiles

大間 祐太

大間 祐太

Sansan株式会社 人事部部長

大学卒業後、人材系ベンチャー企業にて採用コンサルティング部門の立ち上げを経験し、独立。取締役として自社採用メディアの運営、採用コンサルティングをメイン事業とした企業の立ち上げに従事。2010年にSansanに入社し、営業、営業マネージャーを経て採用責任者として人事部に異動。現在はCHRO/人事部長として事業成長を加速すべく採用、制度設計、組織開発に携わっている。

【2019年6月18日開催】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.3 〜デザイン経営と採用ブランディング〜』

【2019年6月18日開催】『Owned Media Recruiting SUMMIT vol.3 〜デザイン経営と採用ブランディング〜』

採用活動において、欲しい人材を獲得するために大事なのは「求職者からみた自社への印象をどう形作るか」です。本イベントでは、「デザイン経営」に精通する識者や多彩なゲストととともに、採用の観点から、「自社への印象をどうデザインするか」について考えていきます。

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